月亭可朝は昭和十三(1938)年三月十日に生まれた落語家にしてタレント。この誕生日は奇しくも古今亭志ん朝師匠と全く同じ日。当初は三代目林家染丸門下となるが後に破門。桂米朝門下となり桂小米朝を名乗る。当初から落語の巧さには定評があった。本人はテレで落語を全く知らずにこの世界に入ってしまったというが、実際は落語が大好きで入門した。二十代後半から三十代に掛けて小米朝から可朝に改名する登り坂のライヴ録音は、月亭可朝師匠自身が保存していたもので音質も良好。ケレン味のない真っすぐな古典落語。これが可朝の原点である。美声と勢いの良さ、センスの良い枕には唸る他ない。小佐田定雄氏書下ろしライナーノートも必読。